今回は,リンナイ製給湯器RUX-1611WO-Eがお湯がぬるいという故障です.かなり昔の給湯器ですが点検いたしました.まずは状況確認です.リモコンの温度設定をMAXにしてお風呂の蛇口を全開に開けお湯を出します.
給湯器本体も燃焼しているのに出てくるお湯がかなりぬるいです.30℃くらいかな...これではさすがにお風呂には入れません.原因を調べます.ガス給湯器でリモコン設定を高くしているのにお湯がぬるい原因は以下が考えられます.
- 熱交換器の故障(フィンつまりによる熱効率の低下)
- ガス比例弁の故障(ガス量が少ない)
- バーナー(不完全燃焼)
- 室内の水栓から水が逆流している
- 湯温を検知するサーミスタの故障
- 水量を制御する部品の故障(能力オーバー)
今回のケースは6の水量を制御する部品の故障でした.詳しく説明いたします.
リモコンの温度設定をMAXにして蛇口(風呂)を全開で出した時になんとなく湯量が多いと感じました.給湯器の構造上,水道の水量をそのままお湯に熱交換しません,なぜなら熱交換に入ってくる水量が多すぎると能力オーバーになるからです.ですから,ある程度水量を抑えて熱交換器に入っていきお水を沸かしやすくします.やかんに満杯に入ってるお水は中々沸きませんが,少量ならすぐに沸きますよね,それと同じです.
どうやって水量を制御する部品が故障してるかを証明する方法ですが,蛇口を全開に開けるのではなく少し開ける,給湯器が点火する水量で開けないといけません.(最新の給湯器は最低作動水量毎分2.2L,昔の給湯器は毎分5Lくらい)要は,蛇口の開け具合で,給湯器の水量を制御する部品の役目をするのです.水量を絞ってお湯を出した時にきちんと設定温度(熱いお湯)どおり出湯されれば水量を制御する部品の故障と判断できます.
RUX-1611WO-Eのスイリュウスイッチツキジスイソウ(クミ)という部品が故障していましたが,給湯器が古すぎて部品の供給が終了していました.修理が不可になる為本体を新しく交換いたしました.交換機種はパロマ製PH-1615AWです.RUX-1611WO-EとPH-1615AWでは縦と横の長さが違う為,そのまま取替をすると本体周りに隙間ができてしまいます.古い機器からの取替の場合,メーカーから取替部材が販売されていますので今回はKAPH-5を使用しました.リモコンも交換しきちんと設定温度通りのお湯を供給することができました.